アスファルト防水とは?〜屋根防水の基礎知識
ビルやマンションの屋上などに主に活用されるのがアスファルト防水です。
今回は古くから使われているアスファルト防水の特徴とメリット、デメリットなどを解説します。
これだけは押さえておきたい、アスファルト防水とは?
▼「アスファルト防水とは?3つの工法」
▼「アスファルト防水のメリット、デメリット」
▼「雨漏りから守ってくれる」
アスファルト防水とは
アスファルト防水は、合成繊維不織布シートなどにアスファルトを溶かして染み込ませコーティングされたシートを屋根に重ねて貼り付けることで防水層をつくることができる工法の一つです。屋上の雨漏りなどから守ってくれるので、屋根防水や屋根塗装については妥協したくないと思うのですが、アスファルト防水は木造や複雑な形状の箇所にはあまり使われていません。
シートを重ねるアスファルト防水ですが、施工方法は一つではなく、大きく3つに分類されます。場合によっては複数の工法を組み合わせることもあります。
主な工法は、熱工法・トーチ工法・常温工法(冷工法)です。
熱工法
熱工法は高温加熱して融解したアスファルトと数枚の防水シートを複数枚を交互に積層して防水層を作る工法です。アスファルトと防水シートの組み合わせによって強固な防水層を作ることができます。
メリット
→すぐに固まるので工期が短くなり、熱を使うので強固な防水層を作ることができます。
デメリット
→アスファルトを高温加熱するため、火気を使用します。また、加熱した際にアスファルトのにおいや煙がでるので、周りへの配慮が必要です。
防水効果
→強固な防水効果があります
トーチ工法
トーチ工法はバナーを使いシートの裏面と下地のアスファルトを溶かしながら貼り付ける工法です。
メリット
→火気を使用しますが、熱工法よりもにおいが少ないです。防水性も高くなります。
デメリット
→火気を使用するため、狭い場所では施工ができないです。
防水効果
→バナーを使うので施工会社の技術に左右されますが、一般的には防水効果は高くなります。
常温工法(冷却工法)
常温工法とはシートの裏側に粘着剤をコーティングして、貼り付けていく工法です。熱を使わないので施工時の安全性が高い工法です。貼り付けるだけなので手間がかかりません。
メリット
→施工の手間がかからず、熱やにおいが発生しません。
デメリット
→他の工法に比べるとシートの密着度が低くなります。
防水効果
→熱を使わずに接着しているので、場合によっては防水効果が続かないことも考えられます。
アスファルト防水のメリット
屋根防水では、雨漏りなどの被害を防ぐためには耐用年数や防水性、屋根への耐荷重性は大切なポイントです。
古くから行われている工法であるアスファルト防水は、防水性や信頼性などがあり、耐用年数(約20年)といわれています。シート上にしたアスファルトを重ねることで防水層を作りあげているため耐荷重性にも優れていて、長く使用できるということはメリットといえるでしょう。
アスファルト防水のデメリット
耐用年数や防水性などは魅力ですが、デメリットもあります。デメリット部分もしっかりと把握しておきましょう。先に解説したようにアスファルト防水は木造や複雑な形状、狭い箇所には適していません。さらに、火気を使うので施工の難易度も高く、においや近隣への影響などもあります。
特に熱工法では、溶融釜や燃料を補給するドラム缶や多量の機材が必要でクレーンなど使って資材をあげることもあり、施工にも大変さがあります。また、溶融アスファルトのにおいが発生するので、人が住んでいるところや他の建物が隣接している場所では困難、というところもネックになるようです。そのために、デメリットの方が大きいと判断される箇所には最近は、常温工法が用いられるようになっています。
アスファルト防水の知識まとめ
アスファルト防水ではメリットとデメリットを頭に入れておくことが大切です。
アスファルト防水のメリット
・古くから行われていて信頼性のある工法
・耐用年数が約20年と長い
・防水性が高い
・耐荷重性にも優れている
アスファルト防水のデメリット
・木造や複雑な形状、狭い箇所には適していない
・火気を使用する場合には安全管理が必要
・工法によってはにおいや煙が発生する
・工法によっては施工の難易度が高い
建物への水の侵入を防いだり、雨漏りから守ってくれることで安全に暮らすことができます。屋根やベランダ、屋上の形状などにもよりますが、屋根防水の一つの工法としての知識を深めていただければと思います。
マンションやアパート、大規模な建物などで多く活用されるアスファルト防水ですが、近年では一般住宅でも使用されています。防水工事や塗料にも種類がありますので、屋根塗装、外壁塗装でお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。火災保険で塗装工事を検討されている方、どれくらいお住まいの劣化が進行しているのか知りたいという方のご相談も承っております。
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